聚分韻略とは漢詩を作るとき、漢字の音韻(おんいん)(中国語で漢字の音を構成する声母や韻母などの総称)を調べる参考書です。原本は京都東福寺の僧、虎関師錬が嘉元(かげん)4年(1306)に作りました。日本大学に所蔵されているこの書物は、天文23年(1554)今川氏の支援により善得寺(富士市)で出版されたものです。静岡県下最古の印刷物で、当時の今川氏の文化水準の高さをうかがい知ることができます。